米ドル、ユーロ、円は弱さ比べで威通貨の原点回帰として「金」が浮上。世界最大の市場は為替市場から商品市場に変わるかもしれない。
中国の通貨「人民元」は国際通貨になることができるか
兆ドル単位のおカネを運用できるほどの豊富な流動性がある池は米国債以外に考えられない。そこで人民元が米ドルの呪縛から逃れて真の独立した国際通貨となるためには、米国債に匹敵する流動性を持った池を新たに作る必要があろう。ただし中国には、いまだまともな債券市場がない。それに何といっても人民元は完全自由化されておらず管理された通貨である。
しかも米国債を大量に売れば米国債は暴落。それで一番損するのも中国だ。人民元の国際通貨への道はいまだ遠い。そこで最後の超政治的決断としては、日中連合で米国債売却処理作戦という突拍子もない発想も考えられる。
無国籍通貨としての金も、今後再び通貨として復権してゆく様相だ。ただし、巷間語られるような金本位制は論外。そもそも金本位制には国内の通貨供給量が金保有量の限度内というルールがある。中央銀行がおカネの市中供給を弾力的に調節できないのだ。政府の金保有量が少ないと経済成長に見合うだけの量のおカネを充分に供給できないなど、金融政策の柔軟な発動が出来ないのが金本位制の致命的な欠点だ。
しかし、ドルもユーロも円も構造的問題を抱え、積極的には買いにくい地合いでは、通貨の原点復帰として金が選択肢として浮上しつつある。金本位制は机上の空論であるが、外貨準備の金保有が増えることは既にBRICS諸国で起きている。コモディティーの金の時代から通貨、金融商品の金の時代へ大きく変遷中だ。
為替相場では序盤に発表された米6月中古住宅販売件数は予想を下回ったものの、市場の反応は限定的となった。その後、ロンドンフィキシングに絡んで対ポンドを中心に米ドル売りが強まったことが他の通貨へ波及し、ドル/円は78円73銭まで下落し本日の安値を更新した。また、21日のユーロ圏首脳会議でギリシャへの支援策が最終合意に至るとの期待感からユーロ買いが優勢となり、ユーロ/ドルは1.41ドル台後半から1.42ドル台前半へ上昇した。fx投資家はドル売り先行のスタンスをとるべきだろう。